
被災地・宮城県山元町~岩手県宮古市の視察
2013年8月15日(木)~20日(火)
宮城県山元町から岩手県宮古市の防潮林と海岸線の被害状況を視察してきました。
スケジュール
8/15(木): 山元町
8/16(金): 南三陸町、気仙沼市
8/17(土): 気仙沼市、陸前高田市、大船渡市、大槌町、宮古市
8/18(日)~8/19(土): 移動日、予備日
8/20(火): 松島町、仙台市、名取市、岩沼市、亘理市
視察マップ
今回の視察から学んだこと
①宮城県山元町~岩手県宮古市の海岸線に造成されていた防潮林の多くは、東日本大震災の大津波の被害を受けて著しく破壊され、倒されたマツや立ち枯れのマツが目立った。
②特に、宮城県中部~南部(石巻市~山元町)の防潮林は延長約65kmにも及ぶことから、目を疑うほど、広大な面積が被害を受けていた。
③リアス式海岸の宮城県南三陸町~岩手県宮古市では、入江の砂浜に造成されていた防潮林が著しく破壊され、倒されたマツや立ち枯れのマツが目立った。
④入江に注ぐ河川沿いに植栽されていたスギ林の多くは、津波の海水を被ったためか、立ち枯れ状態のものが多かった。
⑤リアス式海岸の岬部分では、切り立った岸壁の上に自然林が分布していることが多く、津波で激しく破壊された様子はなかった。
⑥いずれの地域でも、松くい虫の被害と思われる枯れが多く目撃され、津波の影響との区別が難しかった。
宮城県山元町の視察
中浜小学校(跡地)周辺の海岸線の様子
- 廃校になった中浜小学校。
- 中浜小学校裏手の集落跡地。道路に沿って、建物の基礎がいくつも見られました。
- 所有者のネームプレートがありました。
- 地面にはたくさんの砂が堆積していました。
- 消火栓。
- 大津波で倒されなかったエノキ。
- エノキの奥に見える中浜小学校。
- エノキの葉。
- 枝先のほとんどが枯れていました。
- 根がむき出しになったエノキ。
- 防潮林のほとんどが大津波で倒され、エノキやケヤキなどの落葉広葉樹が数本残っていました。
- 新しく造成された防潮堤。
- 防潮堤の工事はまだまだ続く様子です。
- 古い防潮堤。津波で倒されていました。
- 北東方向の海岸線。
- 綺麗な海でした。
- 南東方向の海岸線。
- 造成された新しい防潮堤。
- 海岸から望む中浜小学校。
- 千円塔に立ち寄りました。石碑には中浜地区で亡くなられた方々の名前が刻まれていました。心よりご冥福をお祈りいたします。
- 千年塔の説明。
- 海岸線に沿って、広大な湿原が広がっていました。
- 中浜小学校の周辺で、多くの植物を観察しました。
- ニセアカシア(外来種)
- アカメガシワ。
- クリ。
八重垣神社周辺の様子
- 八重垣神社では、平成24年6月に「みんなの鎮守の森植樹祭」が開催されたそうです。
- 八重垣神社。以前は立派な神社があったそうです。
- マツの根元に、シラカシなど、10種類以上の苗木が植栽されていました。
- 津波被害を受けた防潮林。残されたマツはごくわずかで、ほとんど立ち枯れの状態でした。南東方向の眺め
- 北方向の眺め
笠浜地区の防潮林の様子
- 多くのマツが津波で倒され、数本のマツが点在していました。
- 枯れたマツの樹皮はすっかり剥がれていました。
- 立ち枯れのマツ。
- 津波で倒されたマツ。
- 倒れたマツが何箇所かに集められていました。
- 新しく造成された防潮堤。
- 北方向の眺め。
- 南方向の眺め。
- 防潮堤からの眺め。
- 津波の被害を受けた防潮林の林床には、ニセアカシアが多く侵入していました。
- アカメガシワ。
- ヤマグワ。
山下第二小学校(跡地)周辺の防潮林の様子
- 校舎が取り壊された山下第二小学校跡地。
- 津波の被害を受けた校舎の写真がありました。
- 銅像や石碑が一箇所にまとめられていました。
- 山下第二小学校跡地の近くで、津波の被害を受けても倒れずに残った防潮林を発見しました。
- 北方向の眺め。
- 植栽されたクロマツ、アカマツの他に、ヤシャブシ、ヤマザクラなどの落葉広葉樹が生育していました。
- 立ち枯れのマツ。
- ヤシャブシの樹木。
- ヤシャブシの葉。
- ヤマザクラの葉。
- コナラも生育していました。ドングリの実をつけていました。
- 南方向の眺め。
- 夕日にヒマワリが綺麗でした。
- 踏査終了。
宮城県亘理町の視察
鳥の海南部(松ヶ崎山~内浦)の様子
- 遠方から望む防潮林。この地区は、まばらにマツが倒れずに残っていました。北東方向の眺め
- 東方向の眺め
- 南東方向の眺め
- 防潮堤の造成のために海岸線に沿って作られた道。南方向の眺め
- 北方向の眺め
- マツなどガレキがまだありました。
- 倒れたマツ
- さらに北の防潮林。この地区は、激しくマツが倒されている状況は見られませんでした。
- 北東方向の眺め
- 東方向の眺め
- 南東方向の眺め
- 貞山堀に沿って植栽されたマツ
- 防潮林の断面(南方向)
- 防潮林の断面(北方向)
荒浜港・鳥の海の様子
- 亘理町荒浜に到着
- 港の改修工事が続いたいました。
- 荒浜港
- 鳥の海(東方向の眺め)
- 鳥の海(南方向の眺め)
- 鳥の海から南に続く防潮林
宮城県岩沼市の視察
寺島地区(南浜中央病院周辺)の様子
- 南浜中央病院を通過
- 防潮林内から北方向の眺め
- 東方向の眺め
- この地区の防潮林は、幅が200m~300m程度あります。ここも津波の被害を受けましたが、激しくマツが倒されている部分は少なかったです。幅の広い防潮林は、自然災害に強いことを証明しているように思いました。
- 南方向の眺め
- マツの倒木
- マツ林の中にガマなどの湿性植物が生育する湿地帯が多数見られました。
- 防潮林の海側には、ニセアカシアが多数侵入していました。
「千年希望の丘プロジェクト」の視察
「千年希望の丘プロジェクト」の活動拠点を視察しました。
- 「千年希望の丘プロジェクト」の活動現場
- 「千年希望の丘プロジェクト」の看板がたくさん設置してありました。
- これら第1号の「千年希望の丘」です。
- 頂上は展望台になっています。
- 展望台からの眺め(北方向)
- 東方向の眺め
- 南方向の眺め
- シラカシなど、10種類以上の苗木が植栽されていました。
- 防潮堤の一部にも苗木が植栽されていました。
- 新しい防潮林造成の準備が進められていました。
宮城県名取市の視察
仙台空港周辺の様子
- 仙台空港
- 海岸線の道
- 防潮林はほとんどなくなっていました。
- 防潮林を造成する準備が進められていました。
閖上地区の様子
- 閖上地区
- 新しく造成する住宅の地盤を現在から3.9mかさ上げするそうです。
- これが実際のかさ上げの高さです。
- その周りにはお花畑が作られていました。
- 北東方向の眺め
- 東方向の眺め
- 南東方向の眺め
- 津波被害を受けた防潮林
- 閖上神社
- 閖上漁港。北東方向の眺め
- 東方向の眺め
- 南方向の眺め
- 防潮堤の造成工事
- 「復興桜」活動の看板
- 閖上地区の貞山堀に沿って桜並木を作る取り組みです。
宮城県仙台市の視察
若林区荒浜の様子
- 廃校になった荒浜小学校
- 「ありがとう! 夢 希望 未来」の文字が。
- 「みどりの防災林再生プロジェクト」の活動は、荒浜小学校の近くで実施されていました。
- 遠くに防潮林のマツが定在している様子
- 荒浜地区の中心街。かつては集落がありましたが、今は更地になっていました。
- 被害を受けた防潮林の様子。北東方向の眺め
- 東方向の眺め
- 南東方向の眺め
- 枯れたマツが倒れかかっている様子
- 荒浜の再生を願う方々によって作られたステーション
- 震災前後の写真が展示されていました。
- かつて荒浜地区にあった防潮林の写真。クリーンベルト状にありました。
- マツ林ではマツタケを始め、キノコ類が採れたそうです。
- 昔の漁の様子
- 防潮林の震災前後の違い。特に右側(海側)のマツが震災の津波で倒されたことがよく分かります。
- 津波のあとのマツ林の中の様子
- 「森の長城プロジェクト」の活動の様子
- 「みどりのきずな 再生植樹祭」の活動の様子
- 供養塔。石碑には荒浜地区で亡くなられた方々のお名前が刻まれていました。
- 津波の被害で亡くなられた方々へ、心よりご冥福をお祈りいたします。
- 津波被害を受けた防潮林の様子
- 津波でなぎ倒されたマツ
- 防潮林の跡地には、ニセアカシアが一面に茂っていました。
- 深沼海水浴場は閉鎖中でした。
- 南方向の眺め
- 東方向の眺め
- 北方向の眺め
- 古い防潮堤
- 新しく造成された防潮堤
- 南方向の眺め
- コンビニはまだ仮説店舗でした。
宮城野区蒲生地区周辺の様子
- 蒲生地区に到着
- 防潮林の被害が目だしました。
- マツが完全に倒れてしまっている場所、倒れかかっている木、立ち枯れの木などが見られました。
- このように状態の良いマツ林も少しはありました。
- 神社の跡地と思われる場所
宮城県松島町の視察
松島湾の様子(遊覧船からの眺め)
- 日本三景・松島に到着
- 遊覧船のチケット売り場
- 松島湾の地図
- 遊覧船の行路
- 遊覧船
- 松島は、点在する数多くの島々が緩衝材となって、津波の被害が少なかったと言われています。
- 実際、多くのマツが倒れている様子は見られませんでした。
- ホタテの養殖
- ウミネコ
- この島のマツは枯れていました。松島では、松くい虫の被害が深刻のようです。
- 砂浜に沿って小さな防潮林がありました。倒されている様子はありませんでした。
- 岸壁が崩れている様子もほとんど見かけませんでした。
- 松島湾に点在する島々
- 記念撮影
遊覧船乗り場の周辺の様子
- 遊覧船乗り場の観光案内所
- この高さまで津波が来たそうです。
- 震災の写真展がありました。
- 震災後修理した遊歩道
- ここのマツは倒れたり、枯れたりしている様子はありませんでした。
- アカマツ
- 種子をつけていました。
- 松島海浜公園
- ここのアカマツは全て松くい虫対策の薬剤処理がなされていました。
宮城県南三陸町の視察
- 「南三陸さんさ商店街」に立ち寄りました。
- 観光客の人達で賑わっていました。
- 川に面したスギ林の一部が枯れていました。おそらく津波が川に沿って遡上し、海水が被ったためかと考えられます。
- 南三陸の市街地に向かう。
- かつて市街地だったところは、未だ更地のままでした。
- 海沿いの道路の様子。
- ところどころに津波の被害を受けたと思われる林がありました。
- 市街地から見える島。斜面が崩れている様子は見られませんでした。
宮城県気仙沼市の視察
気仙沼市街地の様子
- 気仙沼市街地の様子。
- 更地が続いていました。
- さんま漁の出港セレモニーの様子。
- 大漁旗。
- 津波で内陸に流された漁船「第18共徳丸」。
- 長野県須坂市の活動が紹介されていました。
- コンビニも仮説店舗でした。
大島の様子
大島は、宮城県気仙沼市に属する面積9.05km²の島で、東北地方最大の有人島です。陸中海岸国立公園に属する「龍舞岬」のアカマツ林を視察しました。
- 大島汽船のフェリーに乗って大島に渡りました。
- 乗船。
- 「人・夢をつなぐ ドリーム大島」の文字の横断幕。
- 出港。
- 気仙沼港の様子。
- 林で覆われた神社。遊歩道が壊れていました。
- ところどころ海岸線の土砂が崩れ、樹木が倒れていました。
- フェリーから望む大島の港。
- 大島への下船。
- 海に面した林の一部が津波で倒された様子。
- 砂浜に面したところにアカマツが点在していました。おそらく、津波で多くのマツが倒されたと考えられます。ところどころに切り株がありました。
大島・龍舞岬(陸中海岸国立公園)のアカマツ林の様子
この地域は津波による被害よりも松くい虫の被害のほうが深刻でした。平成20年度には、「子供の松原再生プロジェクト」が実施され、マツが植栽されたようです。
- 「陸中海岸国立公園 龍舞崎」の入口の看板。
- 駐車場。
- 「小田の浜・龍舞崎遊歩道案内図」の看板。
- 「魚たちを守る森林です・・・」の看板
- 立派なアカマツ林でした。
- 海岸沿いのマツが一部倒れていましたが、津波による大きな被害は目立ちませんでした。
- 龍舞岬の先端の様子。
- この地域は、マツ枯れが進行しているようでした。
大理石海岸の様子
- 「大理石海岸」の看板。
- 看板の裏には、樹木が伐採された跡がありました。
- 岩井沢漁港。
- 北方向の眺め。
- 海岸線のスギが枯れて倒れている様子。
- 東方向の眺め。
- 水はとても綺麗でした。
- 南方向の眺め。
岩手県陸前高田市の視察
陸前高田市街地の様子
- 陸前高田市街地の様子。中心に「奇跡の一本松」が見えます。
- 地盤は低いところには水が溜まっている状態でした。
- マツの残骸。
- 水没している運動公園。
- 荒地が広がる。
- がれきの山がまだありました。
奇跡の一本松の様子
- 「奇跡の一本松」というバス停がありました。
- 「逗子からの700のメッセージ」が書かれた「共に生きる」の看板。
- 「奇跡の一本松」への案内板。
- 「奇跡の一本松」に続く遊歩道。
- 「陸前高田燈すプロジェクト」の看板。
- 太陽光パネル付きの照明が夕方になると灯るそうです。
- 解説版はいくつも設置されていました。
- 「奇跡の一本松」の看板。
- 震災前は立派なマツ林が海岸線に沿って広がっていました。
- 「緊急時の避難マップ」の看板。
- 震災前の「奇跡の一本松」周辺の様子。
- 「奇跡の一本松」。観光地化されていました。
- 残念ながら枯れてしまいましたが、その後、マツは樹脂で固められ、保存されることになりました。
- 葉は残念ながらイミテーションのようでした。
- 樹脂で固めあられた幹の様子。
- 「奇跡の一本松」の看板です。
- 転用駐車場の横にお土産屋さんの仮説店舗がありました。
- 写真も展示してありました。
- 陸前高田市を襲った津波の様子。
- 地元の農園が作っている「マスカットサイダー」をいただきました。とても暑い日だったので、美味しかったです。
- 気仙沼市観光キャラクターの「海の子 ホヤぼーや」。ホヤ好きの私には、たまりません。
岩手県大船渡市の視察
市街地の様子
- 大船渡市街地を通過
吉浜海水浴場の様子
- 吉浜に到着
- 吉浜海水浴場近くの防潮林
- マツは完全に枯れていました。立ち枯れの状態です。
吉里吉里海水浴場の様子
- 吉里吉里海水浴場に到着
- 海水浴を楽しむ人達で賑わっていました。
- 綺麗な海です。
- 奥の海岸線はやや崩れているようにも見えますが。
- ところどころ斜面が崩れているところがありました。
- 変形してしまったガードレール
岩手県大槌町の視察
浪板海岸の様子
- ここは大槌町
- 浪板海岸に到着
- 小さい防潮林がありました。
- 津波で倒されたマツもあったようですが、倒れなかったマツは枯れていませんでした。
- 多くの海岸線の様子
岩手県宮古市の視察
津軽石川の様子
- 津軽石川は、宮古湾に注ぎ込む河川です。
- 河畔林のオニグルミが枯れていました。津波が押し寄せてきたとき、川の上流まで海水が上がってきたためでしょうか。
- オニグルミ
- 上流の様子。オニグルミの立ち枯れが目立ちました。
- 宮古湾の様子
リアス式海岸の様子(遊覧船からの眺め)
- みやこ浄土ヶ浜遊覧船の乗り場に到着
- 浄土ヶ浜の看板
- 浄土ヶ浜ビジターセンターの看板。中の展示は、遊覧船の後に見ましたが、とても綺麗でダイナミックで充実していました。
- 海のほうの眺め
- 遊覧船に向かう遊歩道
- 遊覧船
- 乗組員のスタッフ
- 水は透き通っていました。
- リアス式の海岸線に沿って遊覧船は進みます。
- ウミネコが餌をねだってたくさん集まってきました。
- 写真中央の住宅は震災の津波で浸水したそうです。
- 震災のあと地盤が80cm程度低下したそうです。
- アカマツが生える島々
- 切り立った壁は津波で大きく削られた様子はなく、マツも大面積で倒された様子はありませんでした。
- 津波の際に遊覧船を40時間近くも沖に出し、船が破壊されずに助かったときのエピソードなどをガイドさんが話してくださいました。帰りには、歌謡曲を歌ってきださいました。震災後も観光客が宮古を訪れて、こうして遊覧船を運行できていることを心から嬉しく思っている様子でした。胸が熱くなりました。
- 発着場に到着
- 写真の中央のマツの木に黄色いブイが結んであります。この高さまで震災の津波が来たそうです。
浄土ヶ浜の様子
今回の視察の最北地です。
- 陸中海岸自然遊歩道が整備されています。
- 浄土ヶ浜に向かう途中のアカマツ林
- 立派なアカマツ林
- 売店
- 洞窟をめぐる小型遊覧船もあるそうです。
- 津波の被害を激しく受けた樹木は見当たりませんでした。
- 浄土ヶ浜に向かう遊歩道。震災で地盤が沈下したため、新しく遊歩道が整備されていました。
- 岩盤にしがみつく樹木
- 浄土ヶ浜に到着
- ここでも津波の被害を激しく受けた樹木は見当たりませんでした。
- 学部2年生の時に、龍泉洞から三陸海岸に沿って仙台までサイクリング旅をしました。浄土ヶ浜でテント泊したときのことを思い出しました。
- 海水浴を楽しんでいる観光客がたくさんいました。
- 綺麗な海です。
- 記念撮影。浄土ヶ浜は今回の視察の最北地です。